IETF101の注目WG/BoFはデータセンター、セキュリティ、5G関連?
3/17-3/23にかけてIETF101会合がロンドンで開催されます。その中でもできたばかり or 今回始めてミーティングを開催する注目のトピックが以下になります。
IETF101のみどころ
DC関連
今回はデータセンター(以下DC), ルーティング周りがアツいようです。昨今のDCは、単一のネットワークに対して数万以上のエンドポイントを持つほどに成長し、トポロジーやトラフィックパターン、迅速な復旧の必要性等の特徴故、DCネットワークには独自の要件がある場合が多いです。上記のような大規模データセンターでのトポロジー、トラフィックパターン、管理性のニーズに対応するプロトコルの策定が新たにIETFの仲間入りをします。
- ILA(Locator Addressing) BoF: 数十億のノードにまで成長したDCネットワークでは、既存のインフラと相互運用可能なデータセンター、仮想化、モビリティのシナリオにおける、ネットワークオーバーレイの必要性が求められている背景がああります。ILAはカプセル化せずに透過的なオーバーレイネットワークを実現するためのプロトコルを策定します。
- RIFT( Rounting In Fat Trees) BoF: 上記のようなDCネットワークの集中化に伴い、ディスタンスベクター型とリンクステート型の2種類のダイナミックルーティングプロトコルを用いて、Clos and Fat-Treeネットワークトポロジーにおけるルーティング要求に対処します。Juniper, Comcastが提案中。
- LSVR(Link State Vector Routing) BoF: リンクステート型とパスベクター型の2つのルーティングメカニズムを用いたハイブリッドルーティングプロトコルを開発し、文書化します。Arrcus, Linkedin, Cisco, Nokia等複数企業が提案中。
RIFTやLSVRについては詳しくは、IETF100報告会で発表者の方のスライドをぜひ!
セキュリティ関連
- MLS(Messaging Layer Security) BoF: グループメッセージアプリケーション(MessengerとかWhatsAppとか?)における暗号鍵確立のためのセキュリティプロトコルを標準化します。
- SUIT(Software Update for Internet of Things) WG: IoTデバイスの安全な定期的なファームウェアのアップデートに焦点当てます。SUITに関しても、IETF100報告会で発表者の方のこの資料がわかりやすい!
- TEEP(Trusted Execution Environment Provisioning) BoF: 同じくIoTのソフトウェアアップデートをシナリオとするTEEPでは、初回のインストール(boot後のアプリ)に焦点当てます。TEEPは毎回BoFやっててなかなかWGにならない印象。。。
5G関連
リモートで参加したい
IETFは普段はメーリングリスト(+ WGによってはGithub)ベースで議論が行われ、年3回のオンサイトミーティングがありますが、リモート参加に対するサポートも手厚いです。
「歩くI-Dアナウンス」こと@flano_yukiさんによる、IETFリモート参加のTipsが公開されているので参考に!
qiita.com
おまけ: 今までの議論を追いたい人
◯◯の部分を好きなWGの略語(e.g. quic, capport, httpbis)を入れてください
- 気になるWGを決める。=>WGページヘGO: https://datatracker.ietf.org/wg/◯◯/about/
- その中でも気になるトピックの関連ドキュメント(Internet Draft)を見つけて斜め読み。
- 最新の会合の議論を見る。
- 会合の様子はYouTubeで見れます。「IETF100 ◯◯WG」とか検索すると出てくるかと思います。(動画の字幕をONにすると純ジャパにも嬉しい。)
- 手元にはMinitesを置くとわかりやすいかも?「https://datatracker.ietf.org/meeting/100/session/◯◯」のページにMinites(議事録)があります。